口角をあげていても、目が笑っていなくて違和感があった。
私が大人の女性になって、母の人生や育った環境に思いをはせる機会があった。
あぁ、こうやって環境で人格ができあがってしまうんだ。それが習慣や癖になって大人になっても続いていて、またその人が子どもを産んで負の連鎖が続いていく……と考えずにはいられなかった。
昔に比べたらせかせか急いでいる自分はいなくなったが、「早くしなさい」と母にせかされている記憶が出てきてせっかちになることがある。ちょっとした雑談のなかで、私は自分の代で家系の信念体系や流れを変えるために生まれてきたんじゃないかと両親に言ったこともあった。
頭では理解できても、子どものころを思い出すとまだ悲しみや寂しさ、怒りが出てくる。表現の仕方はいろいろあり、インナーチャイルドという人もいるし、子宮の声、インナースピリットと表現する人もいる。
自分への感じ方が自分の人生になるということは、自分の思いを大切にすれば、それもまた人生となっていくはずだ。そうして、ようやく自分のなかにいる私の声に耳を傾けることができた。
母のことより、まず自分を癒やしてよ。
もっとわたしを見てよ。
もっとわたしをかまってよ。
ようやく、もうひとりの小さいわたしの声が聞こえた。
小さな私が大人の私に言っているようにも感じる。
自分を蔑ろにしてきたことに罪悪感を感じると、意識を内側に向けずにはいられなくなって、働きながら毎日自分の周りを清潔に整理整頓しながら生活することができなくなってしまう。自分に囚われたまま、現実を丁寧に生きられるほど私は器用ではない。
夢中になるものとまったく興味がないものに色濃く分かれて、身の回りの整理整頓が後回しになり、うまく日常生活が保てなくなる恐怖。そして誰もができるであろうことができず、自己否定が始まりもがく。
だから、何かに没頭し続けたときの自分が怖い。
経済的に崩壊してしまうことが怖い。
そうやって自分の内側にこもろうとする私を、現実を生きる私が引きとめる。現実を生きる私が安定していると、ふとした出来事で自己否定する私が出てくる。自己否定する私を鎮めるために自分の内側にこもろうとする私が出てくる。
そんな自分の在り方が少しだけわかってから、身勝手な形で家を出てからの人生を振り返ってみた。今思えば自分の思いだけで行動していた私には、想像して計画的に行動するという知性がなく、衝動的に未来へと突き進んでいけば人生がうまくいくと思っていた。踏ん張る胆力と頑張りがあれば、乗り越えていけると思っていた。
しかし、そんな無鉄砲で親不孝な自分に罪悪感を抱き、後悔とともに自分を否定することもあった。だから帰省するたびに両親に合わせて会話したり、手伝いしたり、いっしょに買い物に行ったり、なるべく両親と接するようにしてきた。
母はカニが好きなので、カニを買ってみんなで食べたこともあった。電車の乗り継ぎなどを調べてあげたり、父に誕生日の花を贈ったりもした。昔は両親と食卓で会話するのも苦手だったのに、ひとり暮らしが長くなって年齢を重ねると改めてありがたいと感じるようにっもなった。時間がたって、よい変化もあった。
母に「五月、お盆、お正月と帰ってこないといかんよ」と言われたことがあったので、お金に余裕がないのに春夏冬と、頻繁に顔を見せていた時期もあった。周りを見てみると、一年に何回も帰省している人のほうが少ないようだったが、後ろめたさもあって私は母の希望に従った。
ある日、「連休は帰省しないといけない」「帰ってくるもんだ」という母の言い方に引っ掛かりを覚える自分がいた。なんとなく、母が寂しくてつまらない毎日を送っているからだと直感した。
そこに氣がつくとフツフツと怒りがこみあげてきた。
母自身の感情で娘をどうこうしたいと言ってるだけじゃん。
寂しいならそのように言え!
「◯◯しなければいけないんだよ」というものの言い方をするな!
「次はいつ帰れるの?」って聞けばいいじゃん。
「自分を深く知る」ことをさまざまな角度から探求し、自分を癒やしていく過程で、生きづらさの原因がHSPという特性であることにたどりつきました。
このブログはHSPという特性に向き合いながら、結婚と天職を手に入れるまでの心の深海潜水夫記録です。
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カテゴリーは、
自分を受け入れる
(生きづらさってどこからくるの?)
自分を癒やす
(癒やしの体験記・創作活動など)
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HSPの心のなか(日常感じたこと)
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になっております。
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大人になってHSPを知り、ふに落ちた過去の思いを忘れずに書きとめておきたいと思い始めました。小説も書いています。
現在、工場で働くHSPアラフォーです。
あくまで、個人的考察です。