ニードルと呼ばれている特殊な針の先にはギザギザした「返し」がついていて、このニードルをフェルティングマットの上に刺して毛を絡ませ、フェルト化して形を作っていく。
小物であれば五グラムくらいの羊毛フェルトで何個もの作品を作ることができる。羊毛フェルト自体は安く手に入るので、教室に通い始めてからいろいろな色の羊毛を少しずつそろえていった。
私は羊毛フェルトをニードルでザクザク刺すときの感覚や音が好きで、作品作りに没頭すると頭がスッキリするときもある。入れ物に食器用洗剤を数滴垂らし、羊毛フェルトを伸ばしていき、羊毛が平らなフェルト状になる性質を利用して色を重ね、グラデーションにして使う方法なども面白い。
そしてだんだんと作りたいものが変わっていき、たまに百均で売られている「羊毛フェルトキット」を買って作ってみたりもした。これは創作活動が好きな私が場所をとらず、材料も手軽に手に入るものを探しがてら百均や手芸屋さんに足繁く(あししげく)通っていたころの話だ。
でも、羊毛フェルト製作が得意だったわけではない。
今になって思うのは、私は立体的なものを作ろうとすると、苦手意識が出てくるということだ。美術はいつも成績が良く楽しかったが、手芸や裁縫などチマチマしている細かい作業が苦手で、編み物にはまったく興味がなかった。
だからケーキやパン、ドーナツ、アイスクリームなど、手のひらサイズの小さな作品を作っていくことにした。途中で飽きると別の作品を作るので、作りかけのものがいくつも机に並んでしまう。そのときの氣分でピンときたものを手がけていく感じだった。
羊毛フェルト教室では、小さな作品や半立体のブローチ、立体のピアスをつけた女の子のウェルカムボードなども作った。そのうち大きな作品も作ってみたくなり、等身大に近いネコ、ブルーアイのアメリカンショートヘアーに挑戦してみた。
骨組みの作り方も教わり、羊毛をチマチマと刺してはネコの毛並みを作っていく。
三交代をやりながら、疲れているときは休むこともあり、なんだかんだで完成まで半年はかかった。
ある程度やり続けると、「もういいかな?」という達成感みたいなものや、作品を作ることじたいに飽きが出てきたので、アメリカンショートヘアーを最後の作品にして羊毛フェルト教室をやめた。
そのあとも、会社が休みの日は半立体のブローチを作ってみたくなり、型紙が載っている本を見ながら見様見まねでチマチマと作っていった。半立体的な作品だったらいけるかもと思ったが、やはり苦手意識が出てきて完成できず終わってしまった。
そこで羊毛フェルト製作のブームは私のなかから消えていった。
次に興味が出てきたのはマンガ教室だった。
世界堂でコピックを知った私は、次にマンガ教室に通ってみることにした。
漫画家になりたいわけではなく、違う角度から創作活動をやってみるとっかかりがほしかったのだ。とにかく理屈ではなくて、自分の心がどう感じているのか、本当のところ何をしたいのかを、私の内側に広がる海の底から引っ張りあげるための創作活動だった。
教室でマンガを描いていくための細かい手作業や画材を初めて間近で見た。和氣あいあいという楽しい雰囲氣ではなくて、プロを目指しているような子どもたちばかり。
ほとんどが小学生で、みんな上手だった。
先生も自分のところからプロの漫画家を輩出したくて一生懸命に指導している印象があり、漫画家は絶対小さいころから描いていなければ無理な世界だなと思った。
その教室で初めて横顔の目の描き方を知った。
小学生のころ、友達の絵をまねしてずっと描いていた女の子の横顔。横顔なのに正面から見た目の形と同じ形になっていた。人間の顔を横から見ると、目はこんな感じになっているのでこんなふうに描く……そんなふうにただ見て描くだけのことすら難しかった。
子どものころ紙の着せ替え人形などで遊んでいた私は、立体的なもので遊んでこなかったせいか立体として考えたり表現したりすることが難しかった。世のなかには知らないことがたくさんあるんだな、思いこみって怖いなと思った。
「自分を深く知る」ことをさまざまな角度から探求し、自分を癒やしていく過程で、生きづらさの原因がHSPという特性であることにたどりつきました。
このブログはHSPという特性に向き合いながら、結婚と天職を手に入れるまでの心の深海潜水夫記録です。
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カテゴリーは、
自分を受け入れる
(生きづらさってどこからくるの?)
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(癒やしの体験記・創作活動など)
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(西洋占星術・パーソナルカラー診断など)
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HSPの心のなか(日常感じたこと)
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になっております。
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大人になってHSPを知り、ふに落ちた過去の思いを忘れずに書きとめておきたいと思い始めました。小説も書いています。
現在、工場で働くHSPアラフォーです。
あくまで、個人的考察です。